「私の戦闘力は53万です」
わざわざ説明するまでもありませんが、
これは『ドラゴンボール』に出てくるフリーザのセリフです。
現実でここまで切羽詰った絶望感を感じることはまずありませんが、
似たような絶望感、例えば自分より格上の人にビビってしまったり、
権威や実績に物怖じしてパフォーマンスを発揮できない状態。
ひどくなれば敵前逃亡、戦意喪失。
涙を流したベジータのようになってしまう人もいるでしょう。
今回のテーマは「ベジータを救いたい!」。
つまり、ベジータのように努力家だけどメンタルが弱い人、
他人を過剰に意識してしまう人に向けてメンタルコントロール術、対策を考えていきたいと思います。
目次
フリーザが戦闘力(53万)を公開したのは絶望を与える為
剣豪・宮本武蔵は佐々木小次郎との対決にあえて遅刻してきたと言われています。
その狙いは小次郎を苛立たせて平常心を失わせるため。
様々な場面で言われることですが、勝負は戦う前から始まっているんですね。
『ドラゴンボール』でフリーザが自分の戦闘力(53万)を公開したことも、
相手の心を揺さぶるという意味で武蔵VS小次郎の構図になりました。
その場面では揺さぶりをかけて平常心を失わせようというよりも、
圧倒的な差を見せつけて、ただ絶望に歪む顔が見たかっただけだとは思いますが…。
ベジータ達がフリーザの戦闘力(53万)に絶望したように、
現実でも戦う前から相手の大きさに心を折られてしまう人は大勢います。
恐るべきは、その絶望の大半は相手が意図して揺さぶりをかけているわけではなく、
噂話や周囲の言葉、自分の想像力などで相手を必要以上に大きくして勝手にビビってしまっているということです。
勝負はやってみなければ分からない。
しかし、戦う前に相手にビビってしまえば、
互角の実力だったとしても、その人はすでに劣勢に陥っていると言えます。
フリーザの戦闘力(53万)はどうやって測ったの?
フリーザが公表した戦闘力(53万)は圧倒的でした。
しかし、そんな情報はサラリと受け流さなければいけません。
「な…!?」とか「あ…あ…!」と大ゴマを使って大袈裟にリアクションしていないで、
「あっそう」とでも言っておけばよかったのです。
そもそも53万って数字は自己申告だからソースはありません。
冷静に考えてみれば相手のハッタリや揺さぶりかもしれないことが分かります。
まずは状況を整理してみましょう。
・旧型スカウターは戦闘力21.000~22.000程度まで測れる
・新型スカウターは最低でも18万以上は測れる
・ベジータの戦闘力を測ったら新型スカウターが壊れた。
・ベジータの戦闘力は18万を超えていた(25~30万程度?)。
・軽く手を合わせた感じでは第1形態フリーザ>ベジータ
これは…フリーザの戦闘力ってどうやって測ったのでしょうか?
新型スカウターでは53万は測れないはずです。
フリーザの53万発言は単なるノリだった可能性
戦闘力53万。
新型スカウターで測れない戦闘力をどうやって測ったのか。
フリーザの自己申告が単なるノリだった可能性が浮上してきました。
ネット上ではスカウターは携帯機だからそれなりの性能で、
据え置きタイプの戦闘力測定器があるんじゃないか?と考察している人もいました。
しかし、それもあくまで推測でしかありません。
リアルなところでは、
フリーザは交戦時にベジータの戦闘力を把握して、
自分との実力差を大雑把に計算してこれくらいだろうという数字を出したという説。
実際のところそれくらいの差が、変身を考えればそれ以上の差があったので、
細かい数字はどうでもいい部分だったのでしょう。
しかし、53万という具体的な数字を出したことで、
ベジータたちは地力の差を意識させられてしまいました。
このことから、フリーザは心理戦においても巧者だったと言えます。
ベジータのようにヘタレてしまう人
戦いが進み、フリーザの底なしの強さを目の当たりにしたベジータは、
戦意喪失して涙を流してしまいました。
これ以降、ベジータは映画でブロリーと戦った時にも戦意喪失してしまったので、
ベジータ=ヘタレというイメージが定着してしまったのです。
でも、待って下さい。
これを読んでる人、ベジータのこと笑えないんじゃないですか?
実力差に絶望して投げやりになったり諦めてしまったこと、あるんじゃないですか?
日常のあらゆる場面でヘタレてしまう人は大勢いるはずです。
僕もその一人です。
例えばスポーツの話。
僕は高校時代テニス部に所属していたのですが、
僕は会場に入ると他校のウォーミングアップにビビっていました。
「な…なんて力強いストロークなんだ…!」
「あいつ…とんでもないサーブを涼しい顔して打ってやがる…!」
ワナワナと肩を震わせながら神妙な顔。
続けて吐き捨てるように、
「く、くそったれ…!全員が俺より強く見えやがる…!」
こんな感じになっていました。
こういうのってビビったら負けで、ハッタリだろうがなんだろうがビビらせた方が勝ちです。
意図してプレッシャーを与えようとしている人ばかりではないと思いますが、
勝手に相手の強さを想像してしまう人は勝手に心理的に不利になっていきます。
そしてヘタレ方にはいくつか種類があります。
■相手の権威にヘタレる
前年度優勝、強豪校、全国大会出場経験あり、ジュニア時代から有名だった、
などなど、どこからか流れてくる噂や実績などの権威にビビッてヘタレてしまう状態。
・相手の見た目にヘタレる
怖そう、強そう、自信に満ちている、ラケットの2本差し、バッグやグッズなどが充実している、
などなど、見た目が強そうということにビビッてヘタレてしまう状態。
・相手を少し見ただけでヘタレる
ウォーミングアップの動きがいい、会場の空気に緊張していない、前の試合で滅茶苦茶強かった、
などなど、外から見て強そうというだけで戦ってもいないのに自分より強いと思ってしまう状態。
まだ戦ってもいないのに、自分よりも上だと決めつけて心が折れてしまう。
情けないことだと分かりつつも、心が勝手に委縮してしまう。
それが考えてもしょうがないこと、意味のないことだと分かっていても止めることができない。
そんなヘタレ癖に対策はあるのでしょうか?
あります!
「もうだめだぁ…おしまいだぁ…」
と、毎回ベジータのようになってしまう僕が、
自らを実験台にして日々改善を重ねているマインドセットを次の項で紹介します。
「もうだめだぁ…おしまいだぁ」なんて言わせない
メンタルは一朝一夕では改善できません。
日々の積み重ねと試行錯誤が必要になってきます。
健康な身体が運動、睡眠、食事といった複合要素で作られているように、
これだけやればメンタルが改善されるということはないので、
ここで挙げるすべての方法を実践することを強くオススメします。
■ヘタレてることを認める(大前提)
自分がビビっていること、緊張していること、諦めかけていること、
まずは自分の心を客観的に観察しましょう。
「53万なんてハッタリだ、大丈夫だ、気にすることはない…!」
と言ってる時点で滅茶苦茶意識しちゃってます。
平常心に戻そうとか、相手を気にしないようにしようと考える前に、
まずは自分がどんな感情になっているのかを見つめて認めます。
それができたら以下のことを実践します。
■やるべきことに集中する
スポーツで言えば、相手が強そうとか怖いって考えるよりも優先してやることがあります。
それは自分の準備です。
会場の空気や他人に飲まれて萎縮しているのなら、
入念なストレッチやアップが必要です。
ビビっていようがいまいが、試合で柔軟に動くためにもストレッチやアップが必要です。
このように、どうにもならない感情をどうにかしようとするよりも、
感情はそのままにして、やればできることを淡々とこなして本番に向けて準備を進めましょう。
■最悪の状況を想定する
過剰に委縮したり、緊張してしまう人は、
失敗や敗北のリスクを必要以上に大きく見積もりがちです。
その誤差を修正するためにも、いったん最悪の状況を想定してみましょう。
意外と大したことないってことに気がつくと思います。
■最後の手段を考えておく
絶望で頭が真っ白になってしまったら、心が折れてしまったら。
何も考えられくなった場合にどうするかを考えておきましょう。
これは避難訓練や防災訓練と同じです。
いざ、緊急事態になるとパニックになって思考が停止してしまいます。
その時に出るのは身体に染み付いた動きです。
例えば、スピーチやプレゼンで内容が飛んだ時、
テストでまったく分からない問題が出た時、
そういった緊急事態にどうするかを想定しておきましょう。
■練習の時からベストを尽くす
相手が自分よりも強そうに見えてビビってしまうのは、
自分自身が信じられないからです。
その自信の無さは結果や場数以上に、普段どう過ごしているかが影響します。
普段の練習、仕事、勉強を適当にやっていた、満足な準備や練習ができなかった、
そういった後ろめたさが根拠になって自信の無さに繋がります。
何ヶ月も前から張り詰めているのは難しいので、
最悪、本番の2週間前からは悔いの残らないような準備をしておくべきです。
■場数を踏む
単純に場数を踏めばメンタルは強くなっていきます。
そのときに注意したいのは、ただ場数を踏めばいいということではありません。
上で述べてきたポイントを意識して、常に全力で挑戦することが必須です。
相手にビビってヘタレる必要はない
スポーツの世界でのヘタレ癖。
学校のスクールカーストでのヘタレ癖。
仕事の場においてのヘタレ癖。
一度、どこかで躓いた人はその後の人生でも躓き続ける可能性があります。
(ベジータがフリーザにビビって、ブロリーにビビって、ビルスにビビったように)
しかし、ベジータの戦歴から学べることは、
大切なのはビビらないことではなく、ビビりながらでもベストを尽くすということです。
フリーザ戦では為す術なく涙するだけだった。
ブロリー戦で一度は折れたけど立ち上がって挑んだ。
ビルス戦では「悟空を超えた」と言われるほどの攻撃を叩き込んだ。
場数を踏むとはこういうことです。
勝とうが負けようが全力で挑んだという経験は血肉になるのです。
ビビって逃げただけの経験は自尊心を低くするマイナスの経験にしかならないので要注意です。
まとめ
タイトル詐欺もいいとこで、ベジータを救うつもりが、
いつの間にかベジータから学ぶ形になっていました。
話をまとめると、
僕たちはヘタレ癖を治す必要はまったくない、
ということです。
厳密に言うとヘタレてもいいから、何度でも立ち上がって挑戦できる人間になろうということです。
ベジータが人気キャラであり続けるのは、その泥臭さと人間臭さにあると思います。
ビビって泣いてしまったり、味方が頑張る姿に刺激を受けて立ち上がったり、大切な人を守るために奮起したり、
悟空のメンタルが理想的だとすれば、ベジータのメンタルは現実的。
一般的には悟空のように不安や恐怖、ピンチを楽しめる人は少ないと思うので、
ベジータを参考にした方がベターかと思います。
「私の戦闘力は53万です」
現実の世界でも、このように圧倒的な差を感じる瞬間は多々ありますが、
ビビりながらでも連続エネルギー弾をぶつけていける人間になりましょう!
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