先日、面白いツイートを見つけました。
とても正直に言う。私は本を読まない人はきらいだ。音楽を聴かない人もきらいだ。映画を観ない人もきらいだし、とにかく「知りたい」という欲望、それは知識欲とも言い換えられるのだが、それらがない人とは友達にもなれない。心の中でバカにしてる。口には出さないけど(でもこうやって書いてる笑)。
— 及川眠子『誰かが私をきらいでも』発売中 (@oikawaneko) January 12, 2020
随分ハッキリとした物言いで、ツイートには様々な意見が集まっていました。
「こんなこと思う人とは仲良くなれないわ」
「絵画も書もサッカーも野球も漫画でも学ぼうと思えばありとあらゆる物から学べると思うんですけどねぇ」
といった具合。
賛否両論巻き起こる中、続けてこんなツイートが投下されました。
例えば。私は本を読む人が好き。音楽聴く人が好き。映画観る人が好き、と書いたら反論も罵倒も殆ど来ないと思う。でも「きらいだ」「バカにしてる」の言葉、つまりは負の表現に対して異常なまでに反応が返ってくる。見過ごすことが出来ない。
表現者の皆さん。この心理を参考にしないテはないです。笑— 及川眠子『誰かが私をきらいでも』発売中 (@oikawaneko) January 13, 2020
負の表現を見過ごせない人の心理を分かったうえで敢えて負の表現を選んで使っている、
ということは何らかの意図があるということ。
面白い!
あえて負の表現を使うメリット
「知識欲がない人とは友達になれないし、心の中でバカにしている」
こんなことを言えば批判が殺到するのは分かり切っているのに、心の中で思っていればいいのになぜわざわざツイートしたのか。
その狙いを考えた時、恐らく及川さんは多くの人に知識欲について考えてもらい、知識欲を持ってもらいたかったのではないかと思いました。
本人も述べている通り「知識欲がある人が好き」と書いていれば、批判は来ずに賛同だけの暖かい雰囲気になっていたでしょう。
しかし、及川さんはあえて批判が来そうな負の表現を使いました。
結果どうなったかというと、
多くの反対と賛成、批判と同情、その意図を探ろうとする人や自分なりの意見を述べる人など、
色んな意見が飛び交って知識欲について考えさせられる場が生まれました。
はてさて、どこまでが狙い通りなのか。
それとも単なる好奇心やなんとなくなのか。
とにもかくにも、当の本人は様々な意見を冷静に見ていることでしょう。
上品な炎上商法?
負の表現を使って注目を集めるのは、言ってしまえば炎上商法。
しかし今回の件に関しては、自分が悪者になることで多くの人に「考える機会」を提供していたので「上品な炎上だなー」と思ったわけです。
そして、自分が思っていることをハッキリ言うことはブログを書く上でたいへん重要だと思ったので取り上げました。
人付き合いでもネット上でも無意識にバランスを取ろうとしてしまう、
誰にも嫌われたくない、誰も傷つけたくないって人は大勢いると思います。
そのスタンスって物凄く疲れるし、我慢したり遠慮する場面が増えるからストレスも溜まるし、
何より誰にも嫌われたくない意見って滅茶苦茶つまらない場合が多いんですよね。
どうしても当たり障りない無難なことしか言えなくなってしまうのです。
これは悪いことではないのですが、ブログやSNSなどで情報を発信している人にとっては致命的な欠点です。
炎上しないように無難なことだけ言ってたら、誰からも嫌われないけど誰からも興味を持たれない人間になってしまうからです。
炎上なんて簡単にはできないから好きに書こう
イソップ寓話にこんな話があります。
ろばを売りに行く親子
ロバを飼っていた父親と息子が、そのロバを売りに行くため、市場へ出かけた。2人でロバを引いて歩いていると、それを見た人が言う、「せっかくロバを連れているのに、乗りもせずに歩いているなんてもったいないことだ」。なるほどと思い、父親は息子をロバに乗せる。
ばらく行くと別の人がこれを見て、「元気な若者が楽をして親を歩かせるなんて、ひどいじゃないか」と言うので、なるほどと、今度は父親がロバにまたがり、息子が引いて歩いた。また別の者が見て、「自分だけ楽をして子供を歩かせるとは、悪い親だ。いっしょにロバに乗ればいいだろう」と言った。それはそうだと、2人でロバに乗って行く。
するとまた、「2人も乗るなんて、重くてロバがかわいそうだ。もっと楽にしてやればどうか」と言う者がいる。それではと、父親と息子は、こうすれば楽になるだろうと、ちょうど狩りの獲物を運ぶように、1本の棒にロバの両足をくくりつけて吊り上げ、2人で担いで歩く。
しかし、不自然な姿勢を嫌がったロバが暴れだした。不運にもそこは橋の上であった。暴れたロバは川に落ちて流されて死んでしまった。
この話の教訓は「他人の意見に惑わされずに自主性を持ちましょう」ですが、
ネット社会の現代風にリメイクするなら「何をしても叩いてくる人はいるから気にするな」にできるのではないでしょうか。
ニュースキャスターが「明日は晴れればいいですね」と言えば、
農家から「適度に雨が降ってもらわないと困るんだけど」と苦情が来て、
「楽しい週末をお過ごし下さい」と言えば、
会社員から「うちは土日も仕事なんだけど」と苦情が来る。
どんなにソフトな言い方をしても批判してくる人はいるんだから、
ビクビクせずに自分が思っていることはハッキリ述べた方がいいのです。
実際、僕のブログにも問い合わせからメッセージが来るのですが、
「お前の最近の記事は暗くて怖いw病んでるの?w」みたいなものが来たこともあります。
わざわざ送るか?そんなこと。
ほっとけよ、いいだろどうでも。
と言いたいところですが、僕が最もダメージを受けるのはまったく反応がないことなので、
そんな冷やかしめいた言葉もモチベーションになっているのです。
記事を書くときに無意識にブレーキがかかって八方美人になってしまう方。
筆が進まなかったり、何も書けない理由はそこにあったりするので、
少しずつでもいいので“自分が”どう考えているのかを書いた方がいいですよ。
あえて過激なこと言えとか炎上しろってことではないのであしからず。
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