先日のこと。
夜に散歩していたら、ずいぶん低いところに浮かぶ満月を見つけました。
遠近の錯覚で建物と建物の間にやたら大きく浮かんでいるそれは、
綺麗というよりは少し不気味な存在感を放っていました。
ひらめき力の源泉は「普段と違う経験」の数
満月といえば今からちょうど10年前に、
取りたての免許に浮かれて友達と心霊スポットに行った思い出があります。
そこは住宅街を少し外れた場所にあって、本来であればかなり暗い場所のはずでした。
しかしその日は満月だったので、はっきりと周囲の様子を見ることができたんです。
懐中電灯がなくてもお互いの顔が確認できて、お互いの影が見えるくらいに明るい。
心霊スポットのことよりも明るすぎる満月の光に興奮していました。
奇しくも同じ時期、同じような満月の夜に散歩していて蘇った過去の記憶。
「普段と違うことをした」という記憶は、仮に忘れていたとしても深層心理の奥底に記録されています。
それは脈絡なくいきなり思い出すこともあれば、夢の中で微妙にアレンジされて出てきたりしますが、
記事のネタや文章を考えている時、これがなかなかにインスピレーションを与えてくれます。
「普段と違う経験」をストックしておくことがひらめき力の訓練になることを、身をもって実感するのです。
ひらめき力を鍛える方法
ロボットテクノロジー企業『GROOVE X』の創業者である林 要さんは、ひらめきを生み出す方法について以下のように語っています。
それは、さまざまな「経験」を積み重ねることです。
なぜなら、ひらめきとは、経験によって学習した膨大な「無意識の記憶の海」を土壌にして生まれるものだからです。何らかの問題に直面したとき、僕たちの神経細胞網は活発に活動を始め、それまでつながりのなかった脳内に蓄積された記憶(情報)が結びつく。「膨大な記憶」が合理性とも不合理性とも無関係に共鳴し、勝手にスパークし、問題を解決する方法を自動的に探し当てるのです。
この方法は「さまざまな経験」がストックされていなければできないので、切羽詰った時に使うことはできません。
逆に言えば、あまり意識していなくても普段からさまざまな「経験」をしておけば、
その瞬間には得るものやメリットがなかったとしも、思わぬところで自分を助けてくれるひらめきの種になるということです。
ここで言う「さまざまな経験」とは具体的にどんなことでしょうか?
僕が考えるに、それは傍から見て特殊・珍しいということではなく、
自分の普段の生活サイクルからズレているかどうか、がポイントになると思っています。
例えば、遠出して心霊スポットに行ったこと。
この経験は僕の生活習慣にはありませんし、心霊スポット巡りが頻繁に行われているわけでもありません。
滅多にないからこそ記憶の奥底に印象深く残り続けるのです。
普段と違うならもっと些細なことだって構いません。
バッティングセンターに行ってみるのもいいし、
ゲームセンターでメダルゲームをやってみてもいいでしょう。
誰かにとってありふれた経験でも、自分にとって「普段やらないこと」に分類される経験はたくさんあります。
平日に行うのが難しければ、「休日は普段やらないことを最低1個はする」と決めるのもいいかもしれませんね。
余談ですが、メンタリストのdaigoさんは幸福感やモチベーションを上げる「科学的に正しい休日の過ごし方」として、
新しいことや未知の体験にチャレンジすることを推奨しています。
例えば、旅行に行くとしてもリゾートやいつも行っている温泉地などももちろん結構ですが、それだけでは、ただリラックスするだけで終わってしまいます。このリラックスする体験だけではメンタルに対する効果はないわけです。
いつもとはちょっと違う体験をするように心がけてください。同じ旅行をするのでも、今までしたことがないウォータースポーツにチャレンジするとか、あえてノープランで旅行に行って、知らない町で美味しいお店を探してみようとか、冒険や挑戦といった要素を加えれば良いわけです。このような休日の過ごし方をすることによって、僕たちのメンタルは良い方向に進みやる気も幸福度も上がるわけです。
まとめ
夜の散歩は僕にとってありふれた経験です。
しかし一点だけ違ったのは、普段歩かないコースを歩いたということです。
たったそれだけなのに満月と過去の記憶が合わさったことで、ただの散歩がやけに印象深い経験となりました。
この経験はきっと数日もすれば忘れていきますが、いつか意図せぬ形で役に立つ日が来ると思います。
まとめると、
ひらめき力を鍛える方法とは「いつもと違う経験を積み重ねる」ということです。
・オリジナリティのある文章を書きたい
・テンプレ量産型の記事を脱出したい
・人に読まれる物語を書きたい
こういった悩みを解決するために必要なのは、アッと驚くようなエピソードでも圧倒的な文章力でもありません。
自分にとっての日常と非日常のギャップから生まれる感情を丁寧に描写することです。
日常は意識していなくても毎日同じように行われています。
だから意図的に増やした方がいいのは非日常部分。
いつもと違う経験を積み重ねることです。
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