本棚の整理をしていると、ついつい懐かしい本に時間を奪われてしまいます。
『KAMINOGE』という小さな雑誌。
甲本ヒロトさんのインタビューに目を通して他は読んでいなかったのですが、
ふと手に取ったvol59にサニーデイサービスの曽我部恵一さんのインタビューが載ってることに気づきました。
スクールカーストが嫌いだった
ー たとえばなんですけど「モテない」っていうことを歌詞にして歌っているバンドがいてそのバンドが売れたときに今度は「モテたぜ」っていう曲を歌ってほしいってボクは思ってしまうんですよ。ボクの勝手な思いなんですけど(笑)。
中略
曽我部 なるほどね。でもどっかにずっと成功しない何かを抱えてるんじゃない?小学校の頃にラブレターをもらえなかったっていうのはどんだけ売れたとしてもモテたとしても埋まらないものとして心に残るんだよね。男ってそういうもんかもね、わかんないけど(笑)。
『KAMINOGE vol59』東方出版、2016、P63
「小学校の頃にラブレターをもらえなかったっていうのはどんだけ売れたとしてもモテたとしても埋まらないものとして心に残る」
これは面白い話。
性別による差は分からないけど、少なくとも男には過去の感情がしつこく尾を引いてる場合が多いと思います。
特に劣等感が絡んだ感情は前に進む活力にもなるし、ねじ曲がった人格形成のキッカケにもなります。
どれだけ環境や性格を変えたつもりでも当時の劣等感がまるきり消えることはないし、
それゆえのぎこちなさや不自然さはふとしたキッカケで一気に表れます。
過去に似たようなことを書いてる記事がありました。
その時にしかできないことがあって、その時を過ぎて同じことをしても意味がないことはたくさんあるのです。
その機会を逃してきた人に二度とチャンスは無く、遠くから眺めることしかできない。
そして眺めることしかできないからずっと追いかけ続けてしまう。
青春コンプレックスをこじらせた人間は、ある意味でずっと青春状態になってしまうのです。
その感傷は楽しい青春時代を経験してきた人への羨望と憎悪に変わることがあります。
ラブレターとか青春コンプレックスに触発されて学生時代を振り返った時、僕の中にも埋まらないものがたくさんあることに気づきました。
同時に埋まらないものとは違うけど、権威権力主義の考え方には昔からネガティブなイメージがあったなーと振り返ります。
特に学生時代の象徴とも言えるスクールカースト、あれが凄く嫌でした。
1軍2軍、陽キャ陰キャみたいな序列や振り分けは軒並み下らないと思ってたし、僕と同じように考えている人も多かったと思います。
しかし、ある時期を過ぎたくらい、大人になって分別を身につけると自らピラミッドに戻っていく人もいるんですね。
社会人にステージを変えてからは、地位やお金など社会的なステータスで勝った負けた顔してるわけです。
スクールカースト大好き人間を見抜く方法
一つ、権威主義者を見抜く方法を紹介します。
それは「相手によってコロコロ態度を変える人」です。
部下や後輩には厳しく怒鳴ったりいびったりするけど、上司や先輩に対してはへこへこしたり礼儀正しくなる人。
友達同士でも相手によって高圧的になったり、下手に出たり自分の中でランク付けをしている人。
相手が強いか弱いか、偉いか偉くないかで優劣を判断してから態度を変える人。
ぼかぁねぇ、こういう奴がでぇっきれぇなんですよ!
誰かに対して高圧的に接している人が、別の人が来た時にクルっと態度が変わる瞬間とか見ると吐き気がします。
仲が良い悪い、年齢差などで多少の違いはあるかもしれないけど、
立場とかカーストの優劣で判断して「自分の方が上だからおっけー」みたいな考え方をする人はたいてい権力が大好きです。
ただですね…
「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」
という名言があるように、
いつの間にか自分も権威に媚びる人間になってしまうかもしれない。
卑屈に権力者の靴を舐めて、自宅で妻子を殴る漫画の悪役みたいになっているかもしれない。
という危険性がないわけでもないです。
そうならないためにも「目上の人や尊敬する人に対してできないことは他の人にもしない」みたいなルールを持っておいた方がいいかもしれません。
例えば、部下のミスに対して激詰めする人は上司のミスに対しても同じようにできるでしょうか。
皿を割ったアルバイトを怒鳴りつける社員はコップを落としたお客さんに対しても同じようにできるでしょうか、まずできないと思います。
つまり、相手のためとは言え「怒鳴る」、「詰める」みたいなコマンドってそもそも必要ないんですよ。
そうなるくらいならずっとカースト底辺でもはみ出し者でも一向構わないのです。
p.s.
青春っぽいことを書こうと思っていたのに、フツフツと怒りが沸いてただのぶちギレ記事になってしまいました。
本棚の整理はまったく進んでいません。
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