・ゴリ押しされてて本当に面白いものもあれば、つまらないものもある
・作品の良し悪しは評判ではなく自分の感性で判断する
「100日後に死ぬワニ」という漫画作品が話題になっています。
連載中は大人気だったのが一転、ある事情から炎上してしまったのです。
今回はその件について色々書きます。
「100日後に死ぬワニ」とは?炎上の経緯
「100日後に死ぬワニ」 pic.twitter.com/RUblRfVWTs
— きくちゆうき (@yuukikikuchi) December 12, 2019
「100日後に死ぬワニ」とはtwitterで連載されていた4コマ漫画です。
「100日後に死ぬワニ」は、漫画家でイラストレーターのきくちゆうきさんが昨年12月12日から自身のツイッターで連載を始めた4コマ漫画。主人公のワニのほのぼのとした日常を描きながら、漫画の末尾では「死まであと○日」とカウントダウンが進むギャップで反響が広がり、きくちさんのツイッターのフォロワーは増え続けて200万人を突破した。
100日目を迎えた20日夜に完結し、「マジ泣けた」「最後まで素敵なワニでした。ありがとう」などと感想が飛び交ったが、完結と前後して発表された告知が批判を集めた。
作者のフォロワー200万人はすごいですね。
「完結と前後して発表された告知」とは大規模な商品展開のことでした。
書籍化、映画化、大量のグッズ販売、イベント開催などなど、
明らからに個人で行える規模を超えた活動にネット上では「最初から企業が仕組んでいたステルスマーケティングではないか」という疑惑が浮上。
そして完結の余韻に浸る間もなく宣伝が始まったことに対する無粋さにも批判が集まりました。
炎上の理由と問題点は以下の2点ということですね。
・ステマ疑惑
・広告打ち出しのタイミング
ステマでヒットさせても作品の質までは変えられない
僕は「100日後に死ぬワニ」をしっかりとは見ていないので、作品の内容についてはとやかく言えません。
ただ、自分の好きなものがステマでゴリ押しされていたと知ったらどう思うのか考えてみました。
たぶん、気にならないでしょう。
ゴリ押しでも、野良から生まれた「本物」として巧妙に演出されていても、
自分が本気で面白いと思っていたのなら、その作品の評価は変わらないと思います。
よく“一流好み”の人がいるが、それはつまりただ世間の、他人の評価を鵜呑みにしてありがたがってることだろう。誰がなんと言おうと、三流だろうが五流だろうが、自分のいいと思うものはいい、という態度を貫かなければ、“ほんもの”なんかわかりゃしないよ。(1/2)
— 岡本太郎 (@okamoto_taro_bt) March 20, 2020
バックに企業がいようが自分が面白いと思ったのならそれでいい、ということです。
そもそも、「100日後に死ぬワニ」が企業案件かどうかはハッキリ分かっていません。
少なくとも作者は否定しています。
改めて言いますが、ワニの話しは自分1人で始めました。それから色んな人が付いてきてくれました。1人1人と話をして、自分なりにしっかり見極め、信じて、この人になら任せてみてもいいかな、と思った結果が「今」に繋がっています。
— きくちゆうき (@yuukikikuchi) March 22, 2020
余韻ぶち壊しという意味で宣伝のタイミングは間違えたかもしれませんが、
それまで作品を面白いと思って感動していた人たちの気持ちは本物だったと思います。
「100日後に死ぬワニ」炎上の心理
この騒動は単なる嫌儲(けんもう)ではなく、「企業が隠れて根回ししていたかもしれない」ことへの不快感と憤りが表れているように感じます。
「100日後に死ぬワニ」が企業案件だったのなら、最初から企業の名のもとに連載していればここまで炎上しなかったし、
企業が後から参入してグッズやイベントを用意していたのだったら、マーケティングとしては失敗だと思います。
この作品は「死」をテーマにしていたのだから、型にはめて動かずに作品への理解とリスペクトを示す必要がありました。
確かに、マーケティングの視点で見たらコンテンツが一番盛り上がる最高のタイミングで商品を宣伝するのはセオリーです。
ただ、この作品でそれをやるのは葬式の真横で威勢よく物販を始めるようなもの。
全てが裏目に出ます。
完結の余韻に浸ろうとしているところをいきなり茂みから出てきて「グッズ販売、書籍映画化決定、イベントやりまーす!」と宣伝されれば、
「何だ貴様!!!」と怒鳴りたくなる気持ちも分かります。
そう考えると、「100日後に死ぬワニ」への怒りの矛先はあくまで企業にだけ向いているのかなーと思いました。
・本当にこの作品を読んで良いと思った
・話題になってて儲かりそうだから擦り寄ってきただけ
宣伝のタイミングの悪さを考えると、どうしても後者のように感じられてしまうのも無理はありません。
何はともあれ、一生懸命作品を書いていた作者はこんなことになってしまって色々辛いし大変だと思います。
それから「順調に行ってて大規模に商品展開するもやり過ぎで反発を喰らう」の流れがこち亀のエピソードみたいだなーと思いました。
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