「継続できない」を克服して安心するのは「現状維持」の始まり

僕のメインPCの机にはゴッホの自画像が飾ってあります。

たまたま僕の家に来た友人はそれを見て「宗教感があって怖い」と言って笑っていましたが、

僕自身はいたって大真面目。

うねり狂う青い炎のような背景に佇み、ギラリとこちらを睨んでいるゴッホに日々エネルギーをもらっています。

継続は工夫で攻略可能

物事の習熟に「継続」が必要なことは言うまでもありませんが、

実際その継続が大変だ、というのが多くの人の意見だと思います。

 

実際に僕も継続して頑張り続けることが苦手で、

同じ会社で定年まで何十年も継続して務めることは絶対に無理だと思ったし、

学生時代にはたった1、2年の部活動すら継続することができずに辞めてしまって、

毎朝ランニングをすると決めたのも、1ヶ月で終わりを迎えました。

 

そんな感じで、ある分野で一流になろうとする多くの人は、

才能を問われる前段階の「継続」というふるいにかかって落とされていきます。

しかし、僕はブログを始めた当初、1年以上に渡り記事を毎日投稿していました。

自分のダメさ加減は自分が一番よく分かっていたのでこれには驚きましたが、

ダメな自分が1年も継続できた理由を以下のように分析しています。

 

・無職金欠という危機的状況に追い込まれた

・やる気がなくても取り組める最低限のラインを設定した

 

前者は危機的状況という不可抗力があるので簡単にマネできないし、あえてするものでもないと思いますが、

後者は誰でも簡単に取り組めてなおかつ続けやすい方法です。

頑張れない人が頑張れないままに結果を出す方法、という内容で記事にしているので、

詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にして下さい。

頑張れないまま経験値稼ぎをするたった1つの方法

2019年11月28日

継続しているから安心…?

さて、ここからが本題となるのですが、

今回は「継続していることに満足してしまう状態の危険性」についてです。

 

練習でも勉強でも習慣化できれば、心理的は負荷は最小限になります。

ブログ記事を毎日書くことに慣れてきた僕も、始めた頃より明らかに作業が楽になっているのを感じていました。

しかし、慣れた方法で記事を量産し続けていたある日、自分の成長が止まっていることも実感したのです。

「記事を書くこと」を継続するのはいいのですが、僕が陥っていたのは常に同じクオリティのものを量産し続ける状態。

新しいやり方を取り入れてみたり、もっと良くしようと考えたりせずに、

ただただぼんやりと機械的に作業しているだけの状態になっていたのです。

 

わかりやすく例えるなら、筋トレ。

筋トレは継続することが大切ですが、成長して負荷が足りなくなればメニューを増やす必要があります。

何の負荷もかからない状態で筋トレを続けるのは現状維持になるかもしれませんが、それ以上の成長が望めなくなってしまうんですね。

夜景や夜の効果を実際にその場でよる描くことが、ひどく僕の興味をそそる。
今週は、描くことと眠ることと食事すること以外、まったく何もしなかった。
六時間ずつ、つまり十二時間ぶっつづけで仕事をし、それから十二時間一気に眠る、というわけだ。

硲伊之助 訳『ゴッホの手紙(中)』岩波書店、1961年、p236

ゴッホは弟への手紙の中で、絵を描くことにほとんどの時間を費やしていると述べていますが、

ただ描くだけでなく色彩の研究とモチーフへの好奇心も忘れずにいました。

いまモーパッサンの<ピエールとジャン>を読んでいる。
まったく美しいー君は序文をよんだかい、芸術家が小説のなかで自然をより美しく、より単純に、優しくするために誇張して書く権利があると説いている。

硲伊之助 訳『ゴッホの手紙(中)』岩波書店、1961年、p38

ゴッホと聞くとがむしゃらに絵を描いていた人、狂気の天才というイメージが先行しますが、

実際には非常に綿密な計画を立てて、明確な意図を持って作品を描いていたことが手紙により明らかになっています。

そのバックボーンには膨大な書物、モーパッサン、トルストイ、芸術家に関する研究論文などがあり、

ゴッホはかなりの読書家であり、同時に勉強家であったことが分かります。

 

つまり、ゴッホの継続の裏側では向上心と好奇心によるインプットが並行して行われていたのです。

印象派と出会い、ジャポニズムに衝撃を受けて、南フランスの光を取り入れて…

目まぐるしく彼の絵が変わっていったのは単なる偶然ではないのです。

ゴッホを描き続ける男から学ぶ「情熱を育てる」ということ

2019年12月31日

継続しながら学び続ける

大仰にゴッホを引き合いに出してまで「継続に安心してはいけない」と僕が言うのは、

ブログの世界が信じられない速度で変化し続けるからです。

 

SEOのノウハウは1年経てばまるで違うものになるし、

人の集まる媒体や集客経路なども何が当たるか分からない状態。

変化の速度は年々少しずつ速くなってきているような感じすらあり、

「今までこれで上手く行ったから」と従来のやり方にあぐらをかいていると、

あっという間に取り残されるような恐怖感があります。

ブログで言えば、その変化はアクセス数や収益という具体的な数字に表れるのです。

 

継続だけでは物足りなくなり、好奇心を持って学び続けることがこれからの時代の必須能力になるような気がしてなりません。

それはブログだけに限らず、です。

僕が無意識にダラけて「現状維持の継続」に満足しそうになる時、

ふとPCの上を見ると、そこにはじっとこちらを見つめるゴッホの顔があります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です